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2018年06月26日

水不足に対応するため。トイレの排水を利用したビール「フル・サークル」が誕生!しかも意外とうまいらしい。(アメリカ)






水不足に対応するため。トイレの排水を利用したビール「フル・サークル」が誕生!しかも意外とうまいらしい。(アメリカ)

今月半ば、アメリカのあるビール会社が再生水を利用した全く新しいビールを発表し、いろんな意味で話題になっている。その再生水とは、なんとトイレの排水である。

 ビール本来の色がアレな色なだけに微妙な気分になる人もいるかもしれないが、これは最近まで長期間の水不足に悩まされたカリフォルニア州サンディエゴを拠点とする醸造所が開発した大真面目な製品なのだ。

 そうまでしてビールが飲みたいという心意気はたいしたものだし、しかも意外とうまいという。

Stone Brewing uses wastewater to brew beer

飲めるのか?トイレの排水を使ったビール
 今年の3月半ば、カリフォルニア州サンディエゴを拠点とするビール会社、ストーン醸造所がお披露目した「フル・サークル」はトイレの排水を再生処理し、その水を使って醸造したビールだ。

排水の再生水で作られたフル・サークル

 これ以上ないほどの徹底循環を示すネーミングからもわかるように、この醸造所は "はたして飲んでも大丈夫なのか?"という世間の不安を承知で開発に取り組んだ。だが、その結果は思いがけない成功につながったようだ。


クリーンなオリエンタルテイスト

 フル・サークルは、フロリダ州ミラマーにある純水実証プラントで処理された再生水を100パーセント使用。醸造の際その水に加えたのは少量の塩のみ。あとは3つの麦芽と3種のホップを使い、うち2種にはトロピカルな芳香のニュージーランド産ホップが含まれている。

 となると断然気になるのは具体的なお味のほうだが、フル・サークルは排水のイメージとはかけ離れた非常にクリーンな味わいだという。

 また、恐る恐る試飲をした人は「ちょっと変わった味というか、他のビールとは違うというか、ずば抜けた味」と答え、同州のサンディエゴ市長は、「きれいな水を際立たせる最高の方法。素晴らしいビール」とコメントしている。

半信半疑で作ったビールがイケる味に
 開発を担当した醸造長は、自分も排水の使用に疑いを持ち、とにかく分析結果が気になったと正直に告白。だが意外にもフル・サークルの出来は素晴らしく、これまで作ったビールの中で3本の指に入るほどの良い仕上がりになったそうだ。

 そしてストーン醸造会社の役員は、人々の思いは複雑かもしれないが、フル・サークルに使う再生水は、うちの醸造所が現在使っている水よりも良い、と太鼓判を押し、長期的な干ばつ時に天然水の代わりに使える信頼性の高い水は非常に重大だ、と語った。

一時は節水命令も。干ばつに苦しんだカリフォルニア州
 実はカリフォルニア州は、2012年頃から2016年の冬にかけ、記録的な干ばつによる深刻な水不足が問題になっていた。主な原因は降雨量の不足だが、2014年から世界的規模で問題となっている極端な気温の上昇により水源の河川や地下水の貯水量が激減したことも影響している。

 現在はその後の降雨や嵐のおかげで水不足は解消したとみられているが、干ばつ時のカリフォルニア州では州全域に25%もの節水令が下される事態に陥った。こうした経験から同州では水のリサイクルが重要視されつつあるようだ。

異常気象時に需要?店頭に並ぶ可能性ありの次世代ビール
 なお、このビールはお披露目のために5樽分用意されただけで、まだ商品化には至っていない。しかし評判が良ければ近々店頭に並ぶ可能性は十分あるという。


フル・サークルの試飲会は好評で、ビールはたった20分でなくなった

 予期せぬ干ばつに苦しみ、限りある水の大切さを実感した醸造所が取り組んだ新ビール。国際宇宙ステーションではすでに排水を飲料水にする水再生システムが存在するが、予期せぬ水の枯渇に備え、こうした再生水の飲料を開発しておくのは重要なことかもしれない。

追記:ビールの名称をフル・サークルに訂正いたしました(2017/3/30 10:08)
posted by gensou-choumazin at 06:04| Comment(0) | 最新・面白科学記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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