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2017年12月24日

雷から「反物質」が生成されるメカニズム、ついに解明へ 京都大学の研究チームが発表






雷から「反物質」が生成されるメカニズム、ついに解明へ 京都大学の研究チームが発表

 自然界にはほとんど存在しないと考えられていた「反物質」が、雷という身近な自然現象によって大量に生まれている−−。そのメカニズムが、京都大学の研究チームによって世界で初めて解明された。

地球上には、絶えず宇宙から高エネルギーの放射線が降り注いでいる。宇宙線と呼ばれるこれらの放射線は、超新星の残骸やブラックホール、そして中性子星が「加速器」の役割を果たし、高エネルギーの電子や陽子を生み出した結果と考えられている。

近年の観測では、こういった粒子の加速現象が、非常に身近な「雷」や「雷雲」で発生し、同様に高エネルギーの放射線(ガンマ線)を生み出していることが明らかになっていた。しかし、粒子がどのようにして加速されるのか、そして発生したガンマ線が大気中でどのような反応を起こすのかは、十分に解明されていなかった。

こうした課題に取り組んだのが、京都大学の榎戸輝揚特定准教授が率いる研究チームだ。彼らは2015年、雷や雷雲から放出されるガンマ線の謎を解明するため、学術系クラウドファンディングサイト「academist」を通じて民間から研究資金を募集した。

この「雷雲プロジェクト」は見事に目標金額を上回り、研究チームはガンマ線検出のための放射線測定装置の試作をスタート。現在では10台以上が、石川県金沢市、小松市、新潟県柏崎市に設置されている。「冬の北陸の日本海沿岸には毎年、強力な雷雲が押し寄せ、世界的にも数少ない恵まれた雷の観測場所になります」と、研究チームは説明している。

雷が引き金となった3つのガンマ線発生源

研究チームは、17年2月6日に柏崎市に設置された4台の測定器により、雷由来の強力な放射線を検出した。彼らは最初に、落雷の瞬間に非常に強いガンマ線を確認。次に、落雷から約50ミリ秒ほど続く「ショートバースト」ガンマ線を検出した。

さらに、電子とその反物質(反粒子)である陽電子が衝突して放出される「電子・陽電子の対消滅」ガンマ線を落雷から約1分にわたって検出した。これらの観測結果について、研究チームは3つのガンマ線発生プロセスを以下のように説明している。

まず、落雷による「強力なガンマ線」が大気中の窒素14Nの原子核にぶつかり、中性子を1個外に弾き飛ばす。光核反応と呼ばれるこのプロセスの結果、弾き飛ばされた中性子と、中性子がひとつ減った窒素の放射性同位体である窒素同位体13Nが生成される。

次に大気中の窒素14Nが、弾き飛ばされた中性子を吸収することで窒素同位体15Nに変化する。そして窒素同位体15Nは、中性子を吸収した際の余剰なエネルギーを、「ショートバースト」ガンマ線(脱励起ガンマ線)として放出する。

光核反応で生成された窒素同位体13Nは不安定なため、ベータプラス崩壊を起こし、原子核の陽子1個が中性子に変わる。その結果、炭素13C、ニュートリノ、陽電子(反物質)が発生。この反物質が大気中の電子と衝突することで対消滅し、「電子・陽電子対消滅」ガンマ線を放出する。

「観測可能なほど大量の中性子や陽電子が雷で生成されているというのは、大変な驚きでした」と語るのは、今回の研究で検出装置の制作やデータ解析で中心となった、東京大学大学院の和田有希氏だ。「地上には宇宙線などの環境放射線が常に存在しており、われわれの高感度な検出器でも、陽電子が少量生成されたくらいではその存在を観測できないのです」

自然界にはほとんど存在しないと考えられていた反物質は、今回の研究により、雷という身近な自然現象によって大量に生まれていることが確認された。そして「電子・陽電子対消滅」ガンマ線を含むこれら一連の現象は、雷を引き金とした光核反応として説明できることが、世界で初めて観測的に解明されたのだ。

一方で、光核反応や反物質の生成のきっかけとなる、最初の「落雷による強力なガンマ線」はどのような仕組みで起こるのかはよくわかっていないという。これについて、榎戸教授は次のように推測している。

「このメカニズムは完全には解明されていませんが、雷の放電時に強い電場で電子が光速近くまで加速され、大気にぶつかって放出される制動放射ガンマ線と考えられています」 

市民からの研究費サポートによりオープンサイエンスへ

一般市民からサポートを得たこれら一連の研究内容は、学術誌『Nature』に掲載されている。なお、日本語版の詳細にはプレスリリースからアクセスできる。

今回の「雷雲プロジェクト」は、市民参加型の科学プロジェクトとして観測データが公開されている。彼らは今後、観測拠点の拡大やデータ解析などで市民の協力を得るために、「サイエンス・ミートアップ」などの勉強会を通じて連携の強化をはかっていく予定だという。

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2017年12月09日

パンがなければ、ゴキブリで作ればいいじゃない。ゴキブリ粉でパン作りをするブラジルの科学者(ゴキブリ出演中)






パンがなければ、ゴキブリで作ればいいじゃない。ゴキブリ粉でパン作りをするブラジルの科学者(ゴキブリ出演中)


今後数十年で食糧不足が世界的な問題になると予測されている。

 その救世主になるだろうと多くの専門家が考えているのが、昆虫である。すでに様々な昆虫料理のレシピが考案されており、レストランでもメニューに載せるところが現れている。

 だが、それを今ある食材の代わりとするには何らかの工夫が必要であろう。ブラジルのある食品研究者はゴキブリを小麦粉代わりにして、パンを焼くことに成功したそうだ。

 マリーアントワネットがこの時代に生きていたらきっと言っていたはずだ。パンがなければ、ゴキブリで作ればいいじゃない?って??

養殖したハイイロゴキブリで栄養価の高い良質なゴキブリ粉

 ブラジル、リオグランデドスール連邦大学の学生であるアンドレッサ・ルーカスとローレン・メネゴンの両氏は、既存の小麦粉よりタンパク質が40パーセント以上豊富なゴキブリ粉を開発した。あらゆる焼き料理に使える優れものである。

 ここで勘違いしているみんなに説明しておくが、ゴキブリ粉の素材は、夜中に台所を這い回っているチャバネなあいつではなく、ハイイロゴキブリという種だ。専門のブリーダーから提供されたもので、ブラジル国家衛生監督庁が定める衛生基準をきちんと満たしている。


ゴキブリはたんぱく質が豊富で必須アミノ酸8種を含む

 「ゴキブリを選んだのは、タンパク質が最も豊富な昆虫だからです。更に9つの必須アミノ酸のうち8つを含み、高品質の脂肪酸(オメガ3やオメガ9)もあります。しかもその100パーセント近くが利用可能で、無駄な部分はほとんどありません」と両氏。

 「昆虫は食べたものを実に効果的に栄養構造に変換することができ、人間はそれを食べることができます。豊富なタンパク源であるため、人間の食料の栄養価を改善できます。栄養不足の地域では特に有効でしょう。またこれを食べることで、家畜による環境への悪影響を緩和することもできます。必要となる場所も発生する汚染も少ないですから。こうしたことから、研究するべきだと考えました」

普通の小麦粉と味にほとんど違いはない。

 ゴキブリをゴキブリ粉に変える方法は不明だが、おそらくは乾燥させ、挽いて粉にするのであろう。それから一般的な混合粉を混ぜて、タンパク質たっぷりのパンを焼き上げる。ルーカス氏とメネゴン氏の研究によれば、ゴキブリ粉を10パーセント混ぜて焼き上げたパンは、普通の小麦粉のパンに比べてタンパク質が49.16パーセント豊富だという。

 ちなみにゴキブリ粉パンと普通のパンの試食を行なったところ、味の違いはほとんど分からなかったそうだ。シリアルバーやケーキなどを混ぜてしまうと、さらに区別できなくなる。


Brazil: This COCKROACH-laced bread may save humanity but can you handle the crunch?

ゴキブリに対する拒絶反応が弊害に
 しかし普通の人においては昆虫を食べることへの抵抗感が強いことも明白だ。両氏が試食を頼んだ際に、ゴキブリ粉を使っていることを告げると、大半が拒んだという。

 2人は時間がそれを変えてくれることを願いつつ、おそらくゴキブリよりも抵抗が少ないであろうコオロギや甲虫といった別の昆虫での実験も進めている。

 「国連の推定では、2050年までに世界の総人口を支えるだけの食糧生産地を確保できなくなります。昆虫を飼育する場合、土地や水が少なくて済み、牛に比べ温室効果に寄与するガスの発生も少ないことから、非常にエコな生産物となります。しかも昆虫は全体を利用することができます。牛の場合は、食べられない部位もあるので、そうはいきません。現段階ではまだ現実ではありませんが、将来的には必要になることでしょう」そう語る両氏だ。
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2017年12月02日

歴史的に有名な偉大なる発明家による知られざる11の発明






歴史的に有名な偉大なる発明家による知られざる11の発明

先見の明があり、イノベーティブな頭脳の持ち主である発明家には、人を助け、生産性を向上させ、歴史の流れを変える力がある。

 そんな彼らであっても、あらゆる発明品で成功を収めたわけではない。ここでは有名な発明家によるマイナーな発明品を紹介しよう。

1. スキューバスーツ――レオナルド・ダ・ヴィンチ

 1500年代、レオナルド・ダ・ヴィンチが発明したのは、軍事上の問題を解決する革新的な方法だった。

 当時ヴェネツィアはオスマン帝国海軍から攻撃を受け、弱体化していた。そこでダ・ヴィンチは水中からオスマン帝国の船をこっそりと攻撃するためのスキューバスーツを考案。

 それは革製で、マスクやゴーグルのほか、おしっこをする袋まで備え付けられていた。スーツには2本のチューブが繋がれ、水上や小さな酸素タンクから呼吸ができる仕組みだった。

 だが、恐ろしい外見のためか、ヴェネツィア海軍は採用を拒否。現代的なスキューバダイビングの登場は20世紀半ばを待たねばならなかった。


2. アルモニカ――ベンジャミン・フランクリン


 遠近両用眼鏡の発明が有名なベンジャミン・フランクリンだが奇妙な楽器まで考案している。

 1761年、フランクリンは王立協会のメンバーがワイングラスの縁を指でなぞって奏でる不思議な音を聴いた。

 これにヒントを得て、棒に37個のガラスボウルを横並びに配列し、その棒をホイールとフットペダルに接続した。ペダルを踏むとボウルが回転し、そこを濡れた指で触れれば音が発生するという仕組みだ。

 1762年、マリアンヌ・デイビーズが弾き方を学び、世界に披露。好評を博し、ベートーベンやモーツァルトすらアルモニカ用の曲を作曲した。5,000台が作成されたが、音量が小さかったため、1800年代に消えて行った(ついでに楽器の音で精神に異常をきたすという噂もあった)。


3. 金属探知機――グラハム・ベル


 人々の安全を守り、隠されたアイテムを発見できる金属探知機。グラハム・ベルと言えば、誰もが電話を思い浮かべるだろうが、これも彼の発明だ。

 1881年7月、ガーフィールド米大統領は狙撃され死にかけていた。医師はどこに弾丸があるのか見つけることができずにいた。そこでベルは大統領の命を救う装置の発明に取り掛かった。電池、コンデンサー、ハンドル、クリック音を聞く電話の受話器で構成されたこの機械を、ベルは誘導平衡装置(induction balance device)と呼んでいた。

 生憎、この装置で弾丸を発見することはできなかった。設計が正しくなかったか、弾丸の位置が深すぎたか、ベッドの金属マットレスが干渉してしまったか、理由は定かではない。ガーフィールド大統領は1881年9月19日に逝去した。


4. 炭酸水を作る錠剤――ヘディ・ラマー


 美貌と知性で知られた女優ヘディ・ラマーは、電波の周波数を操作して、魚雷に対する妨害電波の干渉を防ぐ、周波数ホッピングシステムの共同発明者でもある。

 1942年8月に特許を取得するが、アメリカ軍がこれを使うことはなかった。数十年経ってから、世界は彼女の特許がWi-Fi・GPS・Bluetoothといった現代の無線技術の前身であることに気がついた。これ以外にもラマーは炭酸水を作る錠剤を発明している。

 実際に発泡する水を作ることはできたが、味は良くなかったようで、アルカセルツァー(頭痛薬)の味に似ていたという。


5. おしゃべり人形――トーマス・エジソン


 蓄音機を発明したトーマス・エジソンが次に取り組んだのが、おしゃべりをする人形だ。1890年に特許出願された人形は、身長60センチ、木製の手足がついており、小型の蓄音機を内蔵していた。

 エジソンは蓄音機を利用すれば、ずっと複雑な単語やフレーズを作り出せると考えていたが、当時の技術的限界のために一種類の音声しか録音できなかった。それは女性の声で『きらきら星』や『ジャックとジル』といった童謡の歌詞を話す。

 残念なことに、高価すぎたことに加え、壊れやすく、しかも音質も良くなかったために非常に不気味で、子供や親の間で人気を博すことはなかった。


6. 捕鯨砲――クラレンス・バーズアイ


1920年代、実業家のクラレンス・バーズアイは海産物を瞬間冷凍・梱包・配送するシステムを考案した。冷凍食品業界の父と知られる彼(バーズアイ社は今日でも冷凍野菜を販売している)だが、クジラを捕える機械式の捕鯨砲も発明している。

 アルミとゴムでできており、反動なく射出できる優れものだった。バーズアイはこれで多くのナガスクジラを捕獲したが、仕事というよりも趣味のようなものだったようだ――少なくとも公式にはそう伝えられている。捕鯨に反対する向きからは、この発明ゆえに非難されることもある。


7. 木製の水泳用フィン――ベンジャミン・フランクリン


 11歳のフランクリンは、泳ぐことが大好きで、もっと速く泳げるようになりたいと思っていた。そこで手首にフィンを装着してみることにした。

 木の板に穴を開け、親指が馴染み、握りやすいように加工。これで泳ぎの速度は上がったが、余計な負荷がかかり疲れることが判明する。もちろんフランクリンはその改良に取り組んだ。彼は生涯に渡り水泳に貢献し、1968年に国際水泳殿堂入りを果たした。


8. シェイプアップシューズ――ジョイ・マンガーノ


 “ミラクルモップ”の発明で有名なジョイ・マンガーノは、一種の厚底靴も発明している。

 ”パフォーマンスプラットフォーム”というスニーカーは、ゴム底のかかとの部分にゲットフィットテクノロジーを採用しており、履くだけでハムストリング・大腿四頭筋・ふくらはぎの引き締め効果を得ることができる。

 2010年に発売されたシェイプアップシューズは、通勤しながら筋肉を鍛えられるという一石二鳥の効果を謳う。スニーカーとしては悪くない。


9. 真空パック――トーマス・エジソン


 発明王エジソンは真空パックの前身も発明した。

 主な用途は肉ではなく、果物だった。エジソンは1881年10月、果物や野菜をガラス容器に入れ、ポンプで空気を抜き、熱で密封するという保存法の特許を取得した。そのアイデアを示した奇妙な装置の図案が残されている。


10. 大豆車――ヘンリー・フォード


 1934年、植物学者のジョージ・ワシントン・カーヴァーとヘンリー・フォードは文通友達となり、農業や自動車に関してお互いが知っている知識を交換することにした。

 ガソリンの代わりとなる代替燃料を手にするため、フォードはカーヴァーが研究していたピーナッツなどの作物の性質を調査。1937年、カーヴァーがフォードを訪ね、作物を使った共同実験を行った。

 農産化学に対するフォードの関心が結実したものが大豆車である。これは大豆を調合したもの(おそらく他に麻、亜麻、小麦などが使われているが、製法は失われている)からプラスチックを作り、それを基に製造された軽量車両である。ミシガンのサマーフェスティバルで公開したが、人気は出なかった。


11. 初期のロボット――レオナルド・ダ・ヴィンチ


 ダ・ヴィンチの芸術家としての技能は、時計から空飛ぶ機械まで、発明のアイデアをスケッチする上で便利だった。

 彼は他にも自動推進式カートや動く甲冑といった発明のスケッチも残している。ダ・ヴィンチがロボットの騎士を実際に作ることはなかったが、スケッチからは歯車・ホイール・ケーブルのシステムによって、自動で口を開く、腕を振る、立ち上がるといった動作が可能であったことが窺える。

 学者の見解によると、このロボットの騎士は王やその賓客を楽しませるために考案されたらしい。
posted by gensou-choumazin at 10:35| Comment(0) | 最新・面白科学記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする