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2017年06月13日

水中での呼吸が可能となる「液体呼吸」実現に向けて犬・ネズミ・ハムスターによる訓練が開始される(ロシア)






水中での呼吸が可能となる「液体呼吸」実現に向けて犬・ネズミ・ハムスターによる訓練が開始される(ロシア)

ロシアの高等研究財団(Foundation for Advanced Research/FAR)がモスクワで設立を進める研究所では、動物を使った”液体呼吸”実験が予定されている。その成果は、医療や潜水艦乗組員の緊急避難技術の開発に応用されるそうだ。

 液体呼吸とは、空気呼吸をする生物の肺に酸素が含まれる液体を入れて呼吸させる技術だ。これによって動物は水中でも呼吸が可能になり、水中に滞在できる時間が長くなる。

2年前にダックスフントで成功を収めた「液体呼吸」

 研究の被験体に選ばれたのは、マウス・ハムスター・犬である。こうした動物を水中に沈めてから、肺を特殊な液体で満たす。実験後、身体検査をして、その後長期的に観察を続ける。これが研究の手順だ。

 実はこうした実験にはすでに成功している。2年前に液体呼吸実験が実施されたダックスフントは現在も元気に生きており、高等研究財団の研究者によって観察が続けられているとのことだ。


第二段階は人体実験へ

 この研究の基盤となっているのは、1980〜90年代にロシアで実施されていた人工血液開発を目的とするガス輸送環境の研究である。

 「研究員は緻密な研究を実施し、生物医学への応用を狙いとする実験的な液体呼吸技術の改善を目指す。最重要の課題は、ガス交換ならびに哺乳類の細胞・組織・器官の機能に与える各種酸素運搬物質の影響を調査すること」とFARプレスでは説明されている。液体呼吸の動物実験に成功した暁には、人体を用いた実験段階に移行するという。

医療分野や潜水艦乗組員の緊急脱出手段へ応用

 FARによると、この研究の成果は、様々な肺疾患の治療をはじめとする医療の各分野にも応用されるという。例えば、熱や薬品による火傷、未熟児の未発達の肺、慢性閉塞性肺疾患などの深刻な症状が挙げられる。

 さらに研究所にとってもう1つの重要な課題が、海底で任務を遂行する潜水艦乗組員向けの緊急脱出技術の開発である。

 高等研究財団は2012年にロシア政府によって設立された。安全保障や国防に関連する革新的技術の研究開発が目的であり、アメリカの国防高等研究計画局(DARPA)に相当する。
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2017年06月09日

若返り、ガンなどに効果の高い薬が早ければ3年以内で市場に出る可能性(オーストラリア・米研究)






若返り、ガンなどに効果の高い薬が早ければ3年以内で市場に出る可能性(オーストラリア・米研究)


若返り(アンチエイジング)・癌治療・慢性疾患に効果的なばかりか、将来的な宇宙旅行で人体を守ってくれる薬が3年以内に市販されるかもしれない。

 加齢・癌の発生・各種の変性疾患の主要な要因はDNAの損傷である。また放射線に暴露したときもDNAが損傷してしまう。

 新薬開発の鍵を握るのは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)という化合物で、これがDNAの修復に決定的な役割を果たす。

マウス実験でDNAの修復に大きな効果が

 NAD+を実験用マウスに与える水に垂らしたところ、数時間以内にそのNAD+レベルが上昇し始めた。

 ちょうど1週間後に、マウスグループの中でも年長のマウス(2歳)から筋肉線維を採取し、年少のマウス(4か月)と比較すると、実質的に区別することができず、DNA修復に大きな効果を発揮していることが確認された。


 研究を行ったハーバード大学医学大学院のデビッド・シンクレア(David Sinclair)教授は、次にNAD+の前駆体であるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)のカプセルを処方した。

 NMNはブロッコリー・きゅうり・アボカド・枝豆といった食品にも少量であるが含まれる物質で、NAD+がDNAを修復するために必須なものである。

 初期実験の結果は非常に有望で、今後6か月以内に臨床試験が実施できると期待されている。

 そこで有効性が確認されれば、この薬剤が市場に流通し、さらには宇宙に携帯されるようにもなるかもしれない。


 シンクレア教授とニューサウスウェールズ大学のリンゼイ・ウー博士は、DNAを修復し寿命を延ばす研究で、2016年にNASAのiTechコンペで優勝している。

 NMNなら宇宙線による人体への悪影響を防ぐことができると見込まれる。長期間宇宙に滞在しなければならない火星有人飛行において必須アイテムとなるかもしれない。
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2017年06月08日

時速800万キロで宇宙を移動する超大質量ブラックホールの存在が確認される






時速800万キロで宇宙を移動する超大質量ブラックホールの存在が確認される


目の前のものを手当たり次第にむさぼり食う超大質量ブラックホールの存在がハッブル宇宙望遠鏡によって発見された。

 それは通常なら銀河の中心にあるはずだが、重力波によってそこから追い出されてしまったようだ。


 質量は太陽の10億倍以上。銀河の中心から追い出されたことが検出されたものとしては、最も巨大なブラックホールである。地球から80億光年離れていることが幸いだろう。

 これまで銀河から追い出されているかのようなブラックホールはいくつか確認されているが、今回初めてはっきりと証明された形である。


ブラックホールから放たれる重力波

 アインシュタインが予言した重力波は、2つの巨大な天体が衝突することで生じる宇宙の波紋である。

 これは石を水たまりに落としたときにできる同心円に似ている。昨年、レーザー干渉計重力並天天文台(LIGO)で、恒星級の質量を持つ2つのブラックホールから放たれる重力波が直接検出され、その存在が証明された。



3C 186というクエーサー

 ブラックホールを直接観測することはできないが、それはクエーサーという、銀河全体でも一際目立つ強烈な放射線の中心にある天体のエネルギー源である。

 3C 186というクエーサーとそれが位置する銀河は、銀河団から80億光年離れた場所にある。

 今回の発見をした研究チームのリーダーである宇宙望遠鏡科学研究所(STScl)とジョンズ・ホプキンズ大学のマルコ・キアベルジェ(Marco Chiaberge)氏によると、強烈な放射線を放ちながら融合する銀河を観測しているときに奇妙な特徴に気がついたそうだ。


融合するたくさんの銀河やクエーサー周辺のめちゃくちゃになった宿主銀河は予想していましたが、均整のとれた銀河の中心からはっきり距離をおいたクエーサーはまったく予想していませんでした

 とキアベルジェ氏。ブラックホールとは銀河の中心にあるものなので、そうでないクエーサーは非常に珍しいのだという。


ブラックホールの移動速度は地球から月まで3分で到達するほどの速さ

 計算によれば、ブラックホールが移動する速さは、地球から月まで3分で到達するほどのものだ。この速さであれば、2,000万年後にブラックホールは銀河から脱出して、宇宙を永遠にさまようことになるだろう。


 こうした証拠と理論的な考察から推測されたブラックホールが銀河の中心から追い出される仕組みはこうである。


ブラックホールが銀河の中心から追い出される仕組み

 まず2つの銀河が融合する。それぞれの銀河にあったブラックホールは、新しく形成された楕円形の銀河の中心に向かう。

 ブラックホール同士が互いの周囲を旋回するように移動し、まるでスプリンクラーのように重力波が撒かれる。

 次第にブラックホールが接近。2つのブラックホールの質量と回転率が同一でなければ、重力波は一方向へ向けて特に強く放たれる。最終的にブラックホールが衝突して融合すると、反動で最も強く重力波が放たれていた方向の反対方向へロケットのように発射される。


 可能性は低いが、別の仮説として、クエーサーが銀河の中にないということも考えられる。この場合、クエーサーは銀河の裏側にあるのだが、ハッブル望遠鏡の画像では、錯覚によって銀河と同じ距離にあるように見える。

 仮にこれが正しければ、背後にあるクエーサーの中に銀河が検出されたはずだという。
posted by gensou-choumazin at 08:22| Comment(0) | 最新・面白科学記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする