特定の個人・団体・企業を誹謗中傷するコメントを見つけた場合、即刻削除させていただきます。ご了承ください。

2017年12月02日

経験者が語る「火星の歩き方」






経験者が語る「火星の歩き方」


日本人宇宙飛行士の若田光一さんが7月末、国際宇宙ステーションでの4カ月半に及ぶ滞在を終えて地球に帰還した。冷戦時代、米ソで始まった有人宇宙開発は日本や欧州、中国が加わるなど、すそ野が広がってきた。

しかし、地球からの到達距離で考えれば、現状は40年前と比べて大きく後退したままだ。約40年前、アポロ計画の宇宙飛行士12人が月に降り立ったが、以降、月への再訪はない。しかし今、米国、ロシア、欧州が2030年代の火星有人探査を検討するようになり、その前段として月の有人探査もスケジュールに上がってきている。

月と火星には多数の無人探査機が送り込まれているが、無人探査と有人探査では輸送手段も探査の仕方もリスクもまったく違う。火星の有人探査を考える場合、参考になるのは地球以外の世界での有人探査の先例、つまり月の探査だ。

月に降り立った12人のほとんどは軍出身のパイロットだったが、その中にただ1人、地質学が専門の科学者がいた。それが著者だ。著者は月でのフィールド調査の体験をもとに、火星に降り立つ調査隊が経験するであろう状況や、探査を成功させるためのノウハウや注意点などをつづっている。
posted by gensou-choumazin at 10:20| Comment(0) | 日経サイエンス ハイライト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月13日

ガソリンを雑草や間伐材から作る






ガソリンを雑草や間伐材から作る

大地に緑をもたらす植物は光合成の際、大気から二酸化炭素(CO2)を取り込み、燃えたり腐って分解するときにCO2を出す。植物は大気中のCO2を地表に一時貯蔵するタンクとも言える。とすると、植物から燃料を作れば、燃える際に出るCO2は、もとは大気中にあったものだから、CO2収支はプラス・マイナスゼロ。一方、石油や石炭を燃やして出るCO2は大気にとって“純増”になる。

それなら石油より植物から作った燃料を使った方がよいということで、バイオ燃料の製造が盛んになってきた。最大の問題は原料だ。現在、トウモロコシの実や大豆、サトウキビから作られているが、これらは私たちの食べ物で、家畜飼料にもなっている。望ましいのは、利用価値が低い雑草や間伐材、人間や家畜が食べ物としないトウモロコシの茎やサトウキビの絞りかす、稲わらなどを原料に、高効率で(あまりエネルギーを投入せずに)安価に燃料を作ること。そのための技術開発に世界各国がしのぎを削っている。

製造法は何種類も知られていて、経済性に優れた製造技術もすでに見つかっているという。日本でも小規模ながら商業生産が始まっており、そうした現状もあわせて紹介する。


posted by gensou-choumazin at 06:55| Comment(0) | 日経サイエンス ハイライト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月21日

見えた!奇妙きてれつ量子の世界






見えた!奇妙きてれつ量子の世界

掲載日:2009年8月26日

物理学者アハラノフの名は知らなくても、「アハラノフ・ボーム効果」という言葉は聞いたことがあるかもしれない。1980年代、日立製作所の研究者である外村彰氏が検証に成功し、ノーベル賞級の成果として注目を集めた。50年前、この効果を量子力学の建設者の1人、ボームとともに予言したのが当時20代のアハラノフ氏(右は近影)だった。

後年、氏はもう1つの予言をした。これまで「決して見ることはできない。見たら壊れてしまう」と誰もが信じてきた量子の世界を、壊れないようにこっそり見る方法があるというのだ。これを「弱い測定」と呼ぶ。しかも、ある種の実験装置(干渉計)の中で起きている現象(左上はイメージ図)について、弱い測定を行うと、粒子が特定の場所に存在する確率が「マイナス1」になるという。

確率というのは、本来0と1の間の値しかとり得ず、その予言は一見不可解だが、このほど日本とカナダのチームがそれぞれ実験で確かめた。

量子力学の実像に迫る今回の特集は3本の記事で構成。第1部「存在確率マイナス1 天才アハラノフの予言」ではアハラノフ氏が疑問符を突きつけた今日の量子力学の“常識”について解説する。量子力学が語る世界とはどんなものか、なぜ見ることはできないと考えられるようになったのか、その歴史的経緯を振り返る。またアハラノフの予言を巡る近年の動きを紹介する。

第2部「宇宙の未来が決める現在」はアハラノフ氏へのインタビュー。量子力学の固定観念を覆した予言の詳細について本人が語っている。また、氏が提唱する弱い測定の概念は、量子力学と一般相対性理論を総合的に理解するための有力な手がかりになる。この点について、東京工業大学の細谷暁夫教授らに解説いただいた。

第3部「量子の“開かずの間”をのぞき見る」では、存在確率マイナス1を観測した実験について、当事者である大阪大学の井元信之教授(左下)らに寄稿いただいた。
posted by gensou-choumazin at 11:42| Comment(0) | 日経サイエンス ハイライト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする