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2015年06月06日

日経サイエンス 2009年7月13日






火星が「赤い星」になったわけ

掲載日:2009年7月13日

もし植物をはぎ取ったら大地は何色に見えるだろう? それは私たちが探査機からの画像を通じて知っている隣の惑星、火星とそっくりの姿になる。赤い大地だ。もう1つの隣の惑星、金星は二酸化炭素の厚い大気をまとい硫酸の雲に覆われているので地球から表面を見ることができない。しかし、仮に硫酸の雲が消えたら、そのとき見える地表もやはり赤茶けているだろう。

3惑星に共通する赤色は酸化鉄の赤だ。なぜ鉄が酸化したか? 「突き詰めて言うと、これら惑星の大気から水素が散逸したため」と著者は言う。太古、3惑星には水素も豊富にあったが、最も軽い水素は大量に宇宙へ流出していった。すると水素と結びついて水を構成していた酸素は、相手を失い、今度は鉄に結びついた。宇宙への大気の流失は、惑星の色を決める要因になっている。別の見方をすれば、惑星大気の流出は惑星大気の組成を左右する大きな要因であることにもなる。

惑星や衛星からの大気の流出メカニズムはいくつもあり、どのメカニズムが中心的な役割を果たすかは惑星や衛星の質量や環境によって違ってくる。「環境」とは例えば小天体落下の頻度の高さ。頻度が高いと、宇宙に吹き飛ばされる大気の量も増えるからだ。
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2015年06月05日

日経サイエンス 2009年7月9日






レスター・ブラウンの新たな警鐘

掲載日:2009年7月9日

「世界で最も影響力のある思想家の一人」(米ワシントン・ポスト紙)であるレスター・ブラウン氏。『地球白書』を創刊、『プランB エコ・エコノミーをめざして』などは日本でも読まれている。今回の寄稿で氏は「世界秩序に対する最大の脅威は貧困国の政府崩壊を引き起こす食糧危機の可能性」と指摘する。水不足と土壌喪失、地球温暖化による気温上昇によって食糧生産には厳しい限界が生まれている。これらに対する大規模な取り組みを迅速に行わないと最貧国の政府が崩壊、そうした「破綻国家」から病気やテロリズム、違法薬物、武器、難民が世界に広がって、現代文明が崩壊しかねない。
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2015年06月04日

日経サイエンス 2009年7月6日






ヒトとサルを分けた「0.5%」の中身

掲載日:2009年7月6日

600万年前、アフリカの森にすんでいた霊長類の1つのグループが木から下りた。今、そのグループは私たち人類となり、森に残ったグループはチンパンジーとなった。チンパンジーは昔と変わらず木陰などで夜露をしのいでいるが、人類は都市を建設、自身を構成する生命の設計図、ヒトゲノム(全遺伝情報)を解読するに至り、さらには、親類とも言えるチンパンジーのゲノムをも解読した。

共通の祖先から出発して600万年、DNAの形で保存されている設計図にどのような“変更”が加えられて人類となったのか? 人類は自身のゲノムとチンパンジーのゲノムを突き合わせてみた。驚いたことに、約30億塩基対からなる両ゲノムのほとんどの部分はまったく同じだった。違っていたのは1500万塩基対の配列だけ、30億塩基対に占める割合はたったの0.5%だ。

ヒトとチンパンジーは設計図はほとんど同じなのに、身長も見かけも知能もかなり違う。逆に言えば0.5%という設計変更部分は、生物のあり方そのものに影響を及ぼすほど重要なものであることがわかる。著者によると、最重要と考えられるのは、脳のしわの形成に関与する設計変更だという。

ゲノムは遺伝子(生物の構成部品であるタンパク質の設計図)と、遺伝子以外の領域に分けられる。後者の領域には、必要な時期に遺伝子を目覚めさせてタンパク質を作らせたり、タンパク質が不要になったら遺伝子を眠らせたりするための情報などが書き込まれている。そして脳のしわの形成に関与する設計変更は後者の領域にあった。人類は脳のしわを作る遺伝子の“働き方”が、チンパンジーとはかなり違っているらしい。

このほか、脳の大きさを制御する領域などにも重要な設計変更が加えられたこともわかってきた。
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